2010-07-11

栃木の百貨店 福田屋を一方的に褒め讃える

先日の、関東某所を目的もなくただ歩くという個人的イベントの際、ついでに(といっては距離が長過ぎますが)栃木に行ってきました。
当初の目的は栃木に行くというよりは、湘南新宿ラインに乗りたいというものでした。
で、栃木に着き、いろいろほっつき歩いたが、その中でも素晴らしかったのが福田屋でした。

当日は薄着でしたが、現地に着くと何となく肌寒かったので羽織るものが欲しいと思いました。
JR栃木駅構内に観光案内をしてくれている女性がいたので、この辺にユニクロとかある?って訊いたら、車でしか行けないくらいに遠いと言われました。
そんなに遠くちゃ面倒だし、まあ歩いているうちに洋服屋さんのひとつやふたつはあると思ったので、そのまま歩き始めました。

栃木市の街は結構風情に溢れており、川縁に立つ教会や公園など見学し、道端でせんべいを買ったりしていろんなポイントで楽しむ事が出来ます。
楽しみながらも洋服屋さんを捜してあっちこっち行ったり来たりもします。
で、あっちの路地やこっち町の裏っかわ表っかわを観察していると、出し抜けな感じで出てきたのが、福田屋でした。
栃木市に百貨店なんてあるとは思っていなかったので(失礼)ビックリしました。
で、早速入ってみました。

素晴らしい!

まず接客。
確か3階にあった紳士洋品売り場で薄手のパーカでもないかと思って捜していると、暫くその私の様子を眺めていたと思われる女性店員が、決して押し付けがましい態度ではなく近づいてきて、適切なアドバイスを貰ったです。
カノジョの勧める商品は決して高いものではなく、かといって在庫処分を急ぎたくなるような粗悪なものでも勿論なく、満足しました。
「とてもお似合いですね」の言葉も形式だけではなく、心がこもっているように感じられ、それが本人の資質なのか、百貨店の研修の成果なのかわかりませんが、兎に角好感が持てました。

次に1階が素晴らしいです。
知らない場所を歩く時には、私はカップ酒が欲しくなります。
先程素敵な店員さんから買った新しいパーカを早速羽織って、食料品売り場のある1階に行きました。
そしてやっぱり嬉しくなりました。

豊富な品揃え、百貨店とも思われない地元スーパーチックな値決めに嬉しくなったのですが、そのレジの真横に、マックスファクター・資生堂・オンワード・宝石店等が並んでいるのです。
これはアバンギャルドだ。
マックスファクターで超高価な化粧品を品定めしているご婦人客の鼻先に漂う食料品の香り、明日のパーティーに付けて行くダイヤモンドの指輪を捜している客の横で、カップ酒を選ぶ中年男の姿(私)。
いや、これはけっしてバカにしている訳でなく、単に「いいなあ。いい風景だぞこれは」と感じただけなのです。

通常、百貨店の食料品売り場は地下に設置すると思うのですが、何らかの事情で地下階を造れなかったのでしょう。
1階と言えば百貨店の顔だから、やはりその全面積に高級ブランドを持つテナントに入ってほしいと思ったのでしょうが、一方で近隣から来るなじみのお客さんを大事にしたい。そのためには1階に食料品売り場を造りたい。
そのダブルバインド問題を解決するため、状況を単純に足して2で割った答えがこれだった訳です。

食料品売り場と高級テナントの堂々たる同居。

それを臆面となく、顧客第一の姿勢でやってしまう福田屋の決断力は素晴らしいです。

そんな福田屋には、私みたいなヨソモノから見ても、何となく街のみんなに好かれている感があります。




栃木の地に厳然として立つ福田屋百貨店
青空に○福のマークがよく似合う





















同じような画角で申し訳ないが、その厳然さをしつこくしっかりと皆さんに伝えたい
















福田屋には、自らのテナントとして100円ショップを招聘してしまう、型破りかつ柔軟な経営を行える革新性があると見た
利用客の利便とは何か、真のサービスとは何かを知っているからこそ出来る荒技
















栃木市も、街のご高齢者も、みんな福田屋が大好きだ















こんな訳で、僕は栃木が大好きになってしまいました。
また福田屋で買い物がしたいなあと思います。


(*)私はユニクロも大好きだが、こと栃木の地に来た時、どっちを選ぶか訊かれたら、間違いなく福田屋と答えるであろう。

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