2010-07-11

中年の大暴走その2 <謎の関東某所を放浪する6>

謎な「わかめちゃんポイント」を背にして、車の轟音鳴り響くトンネルをとぼとぼ歩く。
すると出口が見えてきた。















ちなみにこのトンネル、ここまで結構長い距離だったが、車道部分を走る車はめちゃくちゃ沢山あるけど、歩道に関しては、すれ違うヒトもうしろから抜いて行く自転車も、一切なし。
「群衆の中の孤独」「大都会の孤独」と似たような孤独を感じる。

さあ出口か、と思って外に出る。
トンネルの情報を書いた、なんていうんだろう、鉄製のプレートみたいなやつを捜すと、あった。















どうやら私は、929mという距離の暗闇を、とぼとぼ歩いてきたようである。
内容のない、暗い充実感が私を満たしてゆく。

で、すぐまた次のトンネルだ。















おひさまの明るさに、たじろぐような、それでいて心休まるような感覚を受けたので、またすぐにトンネルへ入って行くのに僅かな抵抗を覚える。
しかし、わたしの今日の努めは歩く事。
せめて、次のトンネルがどの程度の長さなのか知ろうと、例のプレートみたいなの捜すと、あった。















295m。
楽勝だ。
約1kmものトンネルをかいくぐってきた歴戦の強者にとってこれしきの距離は、正に稚戯に等しい。
まかせとかんかい。

ちなみに、この二つのトンネル。
担当している土木事務所は同じなのだが、施工業者(いずれもJV)は全然違う。
竣工時期は略同一だ。
だったら、業者を分けないで2本一度に工事を進めた方がコスト的に可成り有利だと思うのだが、まあいいや。
この辺については、れんほーさんに任せるがよいのであろう。

トンネルに再突入し、 とぼとぼ歩く。
心には、特に躍動感のようなものは感じない。
無心に歩く。
するとやがて、こんな表示が出てきた。















以前、上野から北斗星に乗り北海道まで行った時の事、青函トンネルの壁面に、どんな仕掛けかは知らないが「ここまで本州・ここから北海道」みたいな電光表示みたいなのが出て、甚く感動した事がある。
それに比べりゃ随分劣るものの、ある一定の感動はそれなりに感じる。
今まさに、私は町境にいるのだ。
さらに、この地点が町境であるという事を知って感じているのは、このトンネルの中にいる人間のうち、恐らく私だけという優越感が、私の頬をだらしなく緩ませるのであった。

気を引き締めて歩きを再開する。

で、これを見てほしい。
















天井部分をよく見てほしいのだが、手前は白っぽく、暫く先は黒っぽく、更にその先は再び白っぽくなっているのが解るだろうか。
写真では、トンネルがずーっと先まで続いているように見えるが、実は真ん中の黒い部分はトンネルではなく、シェードなのだ。
さらにこれを。
その黒い部分には、















川である。
つまりここは、トンネルではない。
橋なのだ。
わははははははは。
このトンネルを通り抜けたことのある車は、どのくらいになるのだろうか。
累計でいけば、ひょっとしたら何千万台とかかもしれない。
しかし、そいつらのうち、この部分がトンネルではなく橋であることを知っているのは恐らく1%にも満たないのではないか。

再び、暗い満足感が私の頬をだらしなく緩めるのであった。
ふふふ。

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